治療(Therapy)/害(Harm)についての論文に関するワークシート(岡田@KFCT) まず項目1を評価,次いで0,2,3と進む 0: 論文が答えようとしている疑問の定式化 • P: Patient, Population, or Problem • I: Intervention, Prognostic Factor, or Exposure • C: Comparison
• O: Outcome この疑問を答えるのに最善の研究デザインは何か? 情報の有益性(usefulness) = {関連性(relevance) X 妥当性(validity)} / 労力(work) 1: 結果は自分の、そして自分の患者の役に立つか:関連性(relevance) a. 自分の診療で良く診る疾患が取り扱われているか -> Yes / No b. 自分の診療で良く診る患者が取り扱われているか(自分の患者は対象患者に含まれそう か) -> Yes / No c. 全ての重要な転帰が検討されているか(患者にとって、家族にとって、あなたにとって、 社会にとって) (DOEでなく,POEMが考慮されているか) -> Yes / No d. その治療による益は、害やコストに見合ったものか -> Yes / No e. この論文の結果が本当なら自分の診療を変えるに値するか -> Yes / No
現実的にはa-e に一つでもNoがあれば論文を読むのをここでやめて良い 2: 結果は信頼できるか:妥当性(validity) a. 研究の最初の患者背景は両群で同じか(年齢、性別、危険因子などをチェック) (similarity between groups) -> Yes / No b. 対象患者は治療群と対照群にランダムに(無作為に)割り付けられているか (randomization) -> Yes / No c. 患者、医師、研究者がいずれも患者の治療内容を目隠しされているか(盲検化: blinding) -> 盲検化なし/ 1重(single blinded) / 2重(double blinded) / 3重(triple blinded) d. 研究対象の治療以外の扱いは両群で同じか(治療の標準化や、併用療法の制限、他の治 療の記録・比較、フォローアップの頻度などから判断する)(treated equally?) -> Yes / No e. 研究対象患者の全てが結果に反映されているか 1. フォローアップ中の脱落症例は少ないか (Followup) >各グループ % 2. 最初の割付のまま評価されているか(Intention to treat analysis) -> Yes / No f. この論文のLOE (Level of Evidence) ->( ) *a,e-1のみResultの部分に含まれる。それ以外(b,c,e-2) はMethodに書かれている。 3:結果はどのようなものか a. 結果はどれほど大きなものか(これは、効果の差を見る)/臨床的に有意か —> 次のページ b. 結果からの予測はどれほど正確か(これは、信頼区間: CI の狭さを見る)/統計的に有 意か c. 「差のない論文」の場合—>「それは本当か?」—>sample calculationが計画の段 階でなされているか、そこで必要とされた人数分被験者が得られたか 4:自分の診療にどのように折り込むか。患者にはどのように説明するか。 ここまで考えておかなければ実際に患者さんに恩恵はない。
治療のワークシート
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Kameda Dept of Family Med
2.9.08
結果の定量化 Outcome: CER
EER
RR (or OR) EER / CER
RRR CER-EER / CER*
ARR CER-EER
NNT 1/AER
Outcome: CER
EER
RR (or OR) EER / CER
RRR CER-EER / CER*
ARR CER-EER
NNT 1/AER
Outcome: CER
EER
RR (or OR) EER / CER
RRR CER-EER / CER*
ARR CER-EER
NNT 1/AER
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危険率 治療群EER、対照群CER CER (Control Event Rate:コントロール群イベント発生率) EER (Experimental Event Rate:介入群イベント発生率) 相対危険度 リスク比(relative risk, risk ratio: RR) /オッズ比 (Odds ratio: OR):全く同じものではな い 相対危険度減少(relative risk reduction: RRR) :特に明記のない場合はこの値のことが多い
*RRR=1-RR でも表せる • •
絶対危険度減少/寄与危険度(absolute risk reduction: ARR) 治療必要人数(number needed to treat: NNT)
補足説明 死亡率20%の疾患が治療によって死亡率10%になった場合 RRは1/2、RRRは50%、ARRは10%、NNTは10人と なる。 死亡率4%の疾患が治療によって死亡率2%になった場合 RRは1/2、RRRは50%と先ほどと同じ。ただし、ARRは 2%、NNTは50人となる。 NNTとは、望ましい治療効果の患者を1人得るために治療の必要な人数を指す。治療によっては、時間の要因を考慮 する。たとえば3年間の治療継続が必要な場合には /3年とする。 害の論文の場合は RRI (Relative Risk Increase), ARI(Absolute Risk Increase), NNH(Number Needed to Harm)とそれぞれ読み替える
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