学会賞候補演題(口演)「家庭医による妊婦ケア – 日本の家庭医はどこまでできるのか? - 」2009年 プライマリ・ケア関連学術集会連合学術会議 京都.

  • Uploaded by: Tadao Okada, MD, MPH, DABFM, FAAFP
  • 0
  • 0
  • June 2020
  • PDF

This document was uploaded by user and they confirmed that they have the permission to share it. If you are author or own the copyright of this book, please report to us by using this DMCA report form. Report DMCA


Overview

Download & View 学会賞候補演題(口演)「家庭医による妊婦ケア – 日本の家庭医はどこまでできるのか? - 」2009年 プライマリ・ケア関連学術集会連合学術会議 京都. as PDF for free.

More details

  • Words: 260
  • Pages: 18
FMCD-3 家庭医による妊婦ケア

ー日本の家庭医はどこまでできるのか?ー 学会賞候補演題(口演)  2009年 プライマリ・ケア関連学術集会連合学術会議  京都. 2009年8月21日-23日

本山 哲也  (亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科) 清水 幸子  (亀田総合病院 産婦人科) 鈴木 真   (亀田総合病院 産婦人科) 岡田 唯男  (亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科)

【目的】   亀田ファミリークリニック館山(以下KFCT)では、 平成18年6月の開院後、家庭医および家庭医を目指す 後期研修医による妊婦ケアを亀田総合病院産婦人科 のサポートのもと実践している   これまで日本において家庭医、非産科医による妊婦健 診の実際はほとんど報告されていない   今回開院から2年半が経過した時点での当院での妊婦 健診実績について報告し、家庭医による妊婦健診の 実際について考察する

【概要】   KFCTは分娩施設は持たない  健診は妊娠34週まで  帝王切開予定の場合32週まで  以後は分娩施設へ紹介   妊婦健診枠  平成18年10月  週1回 半日  平成19年4月   週2回 半日  臨時の症状はそれ以外の時間帯も対応

【概要】  リスク評価  厚生労働省 妊娠初期/中期・後期リスクスコア  2点以上の場合はその都度併診・紹介を相談

 サポート体制  産婦人科専門医    週1回 指導のため来院  直接の診療は行わない

 カンファレンス  週1回 web回線を使用

【方法】   診療録のレビューによる後ろ向きコホート研究   対象期間:  平成18年6月5日 平成21年3月3日  アウトカムは平成21年3月3日時点で測定   対象:  妊娠関連症状で受診した患者中以下を除く全例  妊娠初期における受診自己中断  墜落分娩  妊婦健診以外の臨時受診(感冒など)  臨時妊婦健診依頼

方法   メインアウトカム  継続可能な妊娠のうち当院での妊婦健診継続率   その他のアウトカム  他院紹介率(本人希望、リスクによる紹介)  出産に至った症例での周産期アウトカム   倫理的配慮に関して  院内倫理委員会にて承認を取得

【結果】 対象の内訳

総数 220

【結果】 妊娠出産希望者の動き

総数187

【結果】 KFCT妊婦健診希望者の動き

総数122

【結果】 KFCT妊婦健診希望者の動き  健診継続中を含む  KFCTでマネージメントが可能 75%   健診継続中をのぞく  KFCTで規定の妊婦健診を完結 71%

 他院への紹介率 25%  緊急紹介 2人 (2%)  常位胎盤早期剥離(28週)  早期破水疑い (25週)

【結果】 数の推移

【結果】 
 KFCTで34週(帝王切開32週)
 健診終了後アウトカム

総数60

【結果】 34週(帝王切開32週) 健診終了後の周産期アウトカム  帝王切開  4/60人 (6.7%) ※ 一般病院 21.4%、一般診療所12.8% 1)

 出産時週数  35週4日 41週1日  早期産 3/60人(5%)

1)厚生労働省:H17年 医療施設(静態動態)調査・病院報告の概要

【結果】 34週(帝王切開32週) 健診終了後の周産期アウトカム  出生体重

 2544 3936 g(巨大児・低出生体重児なし)  平均 3039 g 

 新生児仮死

 1/60人(1.7%) apgar1/4 ※ 59/60人(98%) apgar8/8以上

 新生児異常  1人(1.7%) (上記仮死児)  横隔膜ヘルニア

結論  家庭医による妊婦健診について実績を報告した  産科医と協力した妊婦健診システム運用により、 家庭医による施設において決められた期間の健 診を7割以上で完結できていた  連携システムの構築とリスクの見極めを厳密に 行う事で母子の周産期アウトカムも一般的な産 科施設に劣らない結果が得られることが示唆さ れた

限界と今後  継続可能な妊娠のうち他院健診希望の65人は家庭 医による健診機会損失の可能性があり、原因の調 査と数の減少が課題となる  帰省分娩による他院分娩例においてアウトカムの追 跡ができない症例があり、調査の限界が認められた。 今後追跡調査の方法を検討する必要がある  家庭医による他施設においても同様の質の担保が 得られるかについて、今後の調査を待つ

抄録:一部数字が発表と異なっておりますが、 発表内の数字が最新の値です 【目的】亀田ファミリークリニック館山(以下KFCT)では、平成18年6月の開院後、家庭医および家庭医を目指す後期研修 医による妊婦ケアを亀田総合病院産婦人科のサポートのもと実践している。KFCTは分娩施設を有しないため健診 は妊娠34週までとしている。妊婦健診枠は平成18年10月から週1回半日、平成19年4月から週2回の運用である。こ れまで日本において家庭医による妊婦健診の実際について報告はされておらず、今回開院から2年半が経過した当 院での妊婦健診実績について報告する。 【方法】診療録のレビューによる後ろ向きコホート研究。対象期間:平成18年6月5日∼平成21年3月3日。対象:妊娠関連 症状にて受診した患者のうち、妊娠初期における受診自己中断、墜落分娩、妊婦健診以外のみの受診(感冒など)、 臨時妊婦健診依頼を除く全例。メインアウトカムとして継続可能な妊娠のうち、当院での妊婦健診継続率、その他の アウトカムとして、他院紹介率(本人希望およびリスクによる紹介)、出産に至った症例における周産期アウトカムなど を算出した。 【結果】調査期間内に受診した患者のうち対象は総数221名であった。うち自然流産22/221 (10 %)、中絶希望11/ 221(5%)を除いた、継続可能な妊娠は188/221名(85%)であった。妊娠出産希望者のうちKFCTでの妊婦健診継 続希望者は123/188人(65%)、他院紹介希望者は65/188人(35%)であった。KFCTでの妊婦健診希望者のうち 34週まで妊婦健診が継続できた例が60/123人(49%)、帰省分娩のために34週以前に帰省先へ紹介が15/123 人(12%)、妊婦健診継続中が17/123人(14%)、リスクのため産科専門医紹介が27/123人(22%)、緊急紹介を 要した例が4/123人(3%)であった。KFCT内でマネージメントが可能であった割合(健診継続中を含む)は75%(92 /123)、KFCTで規定の妊婦健診を完結した割合(健診継続中は除く)は71%(75/106)であった。KFCTで34週ま で妊婦健診後出産施設に紹介した60人のアウトカムは経膣分娩55人(92%)(うち早期産3例)、予定帝王切開2人 (3%)、緊急帝王切開2人(3%)、妊婦健診継続中1人(2%)で、出生児については、低出生体重児・巨大児0件、横 隔膜へルニアを伴う重症新生児仮死が1例認められた。Apgar scoreは1例を除いて1分値5分値ともすべて8以上で あった。 【結論】今回家庭医による妊婦健診について実績を報告した。産科医と協力した妊婦健診システム運用により、7割は家 庭医による施設内で決められた期間の健診を完結していた。全国的な産科医不足のなか、周産期医療において家 庭医が貢献できる可能性が示唆された。 【キーワード】家庭医、妊婦ケア

Related Documents

2009
June 2020 15
2009
June 2020 13
2009
December 2019 40
2009
May 2020 23
2009
December 2019 36
2009
April 2020 40

More Documents from ""

Abfm Peformance Report
October 2019 18
May 2020 10
October 2019 12
October 2019 15
June 2020 4