レッスン2
足の裏
本文
人間の手は色々なことをするが、足のほうはあまり働かない。歩くことと走ることのほかは 大した仕事をしない。特に足の裏は、何も重要な働きはしていないように見える。ところが、 足の裏の働きについて実験した結果、面白いことが分かったそうだ。 十二人の若い男女を二つの組にわける。一定の時間、一方の組の人達は、はだしになって竹 を踏み続ける。もう一方の組は、高い椅子に腰掛けて、何もしないでいる。椅子が高いので 足は床につかないから、足の裏には何の刺激もない。 その後両方の組が同じゲームをする。テレビの画面に色の名前を表す漢字が出るが、その漢 字の表す色と、漢字そのものの色は違っている。例えば白い線で書いた「青」という字が出 る。それを見て、急いで「青」の札をさがして高くあげる。何回も続けると、疲れて間違い が多くなるが、二つの組のうち、竹を踏んだ人達のほうが成績がよかった。つまり足の裏を 刺激すると、頭の働きがよくなることが分かったのである。 昔のある有名な人は、子供の頃家が貧乏で、一日中働いていたので、勉強する暇がなかった。 そこで、背中に焚き木を背負って歩きながら、本を読んだそうである。目のためには悪かっ たかもしれないが、頭の働きのためには、よい勉強法だったわけである。
会話文1 二人の知人が道で出会い、歩きながら話している。浅野は女性、佐藤は男性。 浅野: この頃よくテレビを見ますか。 佐藤: あまり見ませんね、帰りが遅いので。 浅野: そうですか。私はあまり見ないんですけど、この間、ちょと面白い番組を見ました よ。 佐藤: どんな番組ですか。 浅野: 足の裏の話です。 佐藤: 足の裏? 浅野: ええ、足の裏って、あまり大したことをしないようですけど、実は大切なんだそう です。 佐藤: へえ? 浅野: 足の裏を刺激すると、頭の働きがよくなるんだそうです。 佐藤: そうですか。実験か何かで、分かったんですか。 浅野: ええ。若い人が二つのグループに分かれて、一方は竹を踏んだけど、一方は椅子に 腰掛けて、何もしないでいたんですって。 佐藤: 足はどうしたんですか。 浅野: 椅子が高いから、足は床につかないで… 佐藤: ああ、ぶらんぶらん… 浅野: ええ、そうなんです。その後でテレビゲームみたいなことをしたら… 佐藤: ええ。 浅野: 竹を踏んだグループのほうが成績がよかったそうです。 佐藤: なるほどねえ。 浅野: だから、じっと長い間座っているのは、頭のためによくないんですね。
佐藤: じゃ、歩きながら本を読んだら、どうでしょう。 浅野: いいかもしれませんね。目には悪いかもしれないけれど。
会話文2 会社の中。浅野は課長、夏川は部下。どちらも男性。 浅野: あ、君、どこかへ行くの。 夏川: ええ、ちょっと歩いてきます。頭が疲れたので。 浅野: ふうん。 夏川: 課長、頭と足の裏の関係を知っていますか。 浅野: 知ってるよ。 夏川: じゃ、どういう関係ですか。 浅野: 人間でいえば、社長と君だ。 夏川: ふうん。 浅野: つまり、一番上と一番下。 夏川: 違いますよ。足の裏を刺激すると、頭の働きがよくなるんです。 浅野: へえ? 夏川: そういう実験の結果が出ているんです。 浅野: なるほど。それで散歩に行くのか。 夏川: ええ。 浅野: それなら行く必要はない。さあ、靴を脱いで。 夏川: えっ? 浅野: 靴下も脱いで。 夏川: ここでですか。
浅野: そう。ほら、ここに竹がある。これを踏めばいいんだよ。 夏川: この竹、課長のですか。 浅野: そう、僕もあの番組見て、すぐ竹を買いに行ったんだ。 夏川: なあんだ。 浅野: 実はさっき、部屋の隅で踏んでいたんだよ。さあ、これ、使いなさい。 夏川: 結構です。もう頭の疲れがとれました。(独り言)課長がはだして踏んだ竹を踏む なんて… 浅野: 何が言った? 夏川: 言いません。さ、仕事、仕事。
漢字熟語練習
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