Nikkei Article

  • June 2020
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  • Words: 544
  • Pages: 4
デジタル機器 通信・PC

家電

100円 パソコン

携帯電話

有機ELテレビ P138 カーナビ

ワイヤレスPND

P120

P140

グーグル ケータイ

P130

「次」 の争いとトレンドが一目瞭然



「100円パソコン」を生み出したのは、次世代通信規格の争いだった。「格安航空」 の新規参入で、海外旅行が半額に !? ──。提携、再編、参入、競合で業界が変わっ た結果、新しいトレンドやヒット商品が誕生している。そこで、注目業界の新図式、 新キーワードを徹底調査。一目でわかるようコンパクトにまとめた。

外食

食品・サービス

マック コーヒー

P127

金融

第2の新銀行

航空・クルマ

エアライン

格安航空

P136 菓子・飲料

ガソリン

オフィス菓子

“黒船”バイオ燃料

P142

119

P124 P134

 人気の「100円パソコン」キャンペーンを仕掛けたの は通信事業者のイー・モバイル。背景にあるのは、次世 代通信サービス間の争いだ。イー・モバイルなどの HSDPA方式に続き、来年にはモバイルWiMAXと次世代 PHS、2010年にはLTEがスタート。4陣営の顧客獲得競 争が本格化する。

シャープ

携帯情報端末「WILLCOM D4」 はシャープが製造

新 09年4月∼

ウィルコム

次世代通信

●ノートPC市場で低価格小型のシェア急増

LTE陣営

ノートパソコン市場全体に占 める6万円以下の低価格小型 パソコンの比率が急激に上が っている。7月に始まった 「100円パソコン」キャンペ ーンが需要を後押し

NTTドコモ

 2010年に最大通信速度100Mbpsでサービスを開始 する予定。モバイルでFTTH並みの通信環境を提供する。 HSDPAが3.5世代(3.5G)と呼ばれるのに対し、第4世 代(4G) に近い規格として「3.9G」 とも呼ばれる。

に高機能を盛り込んだ 万∼ 万円台

となったのが﹁ 円パソコン﹂だ。店

するなか、価格が維持されてきた〝高

A4ノートの販売価格がどんどん下落

の製品を各社が投入。デスクトップや

  7月、パソコン市場の〝台風の目〟

コンが 円で手に入るというニュース

額品市場〟だ。

込んだEee PCが、今度はついに

  そこに5万円という激安価格で殴り

﹁ 円﹂ 。当然、仕掛け人はアスースか

った﹂ ︵アスース・ジャパン︶ 。 ﹁ 円

パソコン﹂の本当の仕掛け人は、通信

という価格で売られることも知らなか

事業者のイー・モバイルだ。

して発売されると、初回出荷1万台は 即日完売、追加してもすぐに売り切れ

っきり〟で買えるわけではない。パソ

  イー・モバイルは昨年7月からHS

来 年 から 次 世 代 通 信 が続 々 契約者の囲い込 みが急務に

サービスの本格化がある。

けたのか。その背景には、次世代通信

店と組んで、パソコンの安売りを仕掛

  しかしなぜイー・モバイルが、量販

タイ﹂をイメージすればわかりやすい。

コン本体を安くしている。 ﹁1円ケー

量販店はインセンティブを使ってパソ

店にインセンティブ ︵報奨金︶ を支払い、

う条件だ。要はイー・モバイルが量販

ン︵データ通信端末込み︶を 円で買

降、月額通信料を支払うのが、パソコ

ルと2年間の通信サービスを契約。以

コン本体を購入する際、イー・モバイ

﹁ 円パソコン﹂といっても〝 円ぽ

るヒット商品となった。

﹁5万円を切る激安小型パソコン﹂と

ャパンの ﹁Eee PC 4G │X﹂ 。1月、 と思われたが、当のメーカーは﹁ 円

のは、台湾系メーカー、アスース・ジ

﹁ 円パソコン﹂として売り出された

た客の熱気であふれた。

が流れると、量販店は申し込みに訪れ

頭販売価格4万4800円の小型パソ

20

メーカーの独壇場だった。小さな筐体

K E Y W O R D

  従来、小型パソコン市場は大手国内

 HSDPA方式のイー・モ バイルは、家電量販店と協 力して「100円パソコン」 キャンペーンを仕掛け、新 規契約者を増やした。次世 代通信サービス間の顧客獲 得競争が激しくなるなか、 今後も通信事業者が主導す るさまざまなキャンペーン が登場しそうだ。 イー・モバイルの通信端末 D「02HW 。」100円パ ソコンに接続して使う

「ケータイ型」販売方式

6月の6.7%から 18.5%に急増!

08年7月

新 2010年∼

注)販売台数ベース、BCN調べ

120

小型PCブームの裏で「次世代通信」戦争

 サービス名は「 WILLCOM CORE」 。09年4月に試行サ ービスを東京の一部で、同10月に東名阪の都市部で商 用サービスを開始。2010年度までに全国をカバーする。 最大通信速度は最大40Mbpsで、将来は100Mbpsを予定。

S

100円パソコンの陰で 次世代通信事業者が競合

次世代PHS陣営

40

通信・PC



イー・モバイルが、 「1万円パソコン」で攻める    のトレンドがわかる

新 業界地図 低価格小型パソコンが次世代通信の対決に火を付けた 協力・支援関係 資本関係

イー・モバイル(HSDPA)陣営 5万円小型PC陣営

100円パソコン

アスース・ジャパン

大手量販店

07年∼

デル

日本ヒューレット・パッカード

レノボ・ジャパン

日本エイサー

エムエスアイコンピュータージャパン

マウスコンピューター

イー・モバイル  07年から最大通信速度7.2Mbpsのサービスを提供し ている。今年7月に登場した「100円パソコン」は、同社 の「スーパーライトデータプランにねんMAX」を利用し、 パソコンを100円で買った後、毎月の通信料を支払う。

工人舎

VS

高機能小型PC陣営

松下電器産業

東芝

富士通

ソニー

モバイルWiMAX陣営 新 09年2月∼

NEC マイクロソフトは、高性能小型パ ソコンにウィンドウズビスタ、低 価格小型パソコンにウィンドウズ XPを提供する

UQ コミュニケーションズ

インテルはUQコミュニケ ーションズに出資。モバイ ルWiMAX接続機能を搭載 したチップセットを提供

マイクロソフト

 09年2月から首都圏(東京23区、横浜、 川崎)で試験サービス、9月から中部・ 関西圏(名古屋、大阪、京都、神戸)に広 げて正式サービスを開始。最大40Mbps。

KDDI

インテル

K E Y W O R D

国産大手メーカーの 「5万円」進出は不透明

 低価格小型パソコンの攻勢が続くな か、国産メーカーの動向が注目される。 富士通は「国内での販売予定はない」 とするが、中国や香港で低価格小型パ ソコンの販売に乗り出し、いずれ日本 での発売も予想される。ソニーも販売 がうわさされるが、 「単に格安だけの 製品の発売は考えていない」という。

インテルとマイクロソフト 「5万円」もしっかり支援

 モバイルWiMAX陣営は、 パソコンへの「内蔵」 を重視。 インテルがチップセットに モバイルWiMAX接続機能 を搭載すれば、メーカーが 通信モジュールをセットす るだけで、 「内蔵パソコン」 になる。パソコンへの内蔵 インテルがチップセット を機に一気に広まった無線 をメーカーに供給し、 LANの手法で普及を狙う。 WiMAX普及を後押し

 インテルは、高性能のCPU開発とは 別に、低価格小型パソコン向けに安価 で高性能なAtomを提供する。他方、 マイクロソフトは、すでに一般販売を 終了したウィンドウズXPを、低価格 小型パソコンに提供する。低価格小型 パソコン陣営の躍進には、こうしたサ ポートも貢献している。

タート。それまで主力だったPHSに

DPA方式のデータ通信サービスをス

式を用いていたNTTドコモに先行し

最大速度で勝ったのに加え、同通信方

Mbps 化を図るなどして、契約者

て完全定額化。いち早く、下り・最大

を増やしてきた。

  しかし今後、さらに高速な次世代通

信サービスが続々とスタートする。ま

ず来年2月、KDDIが出資するUQ

40

コミュニケーションズが、最大通信速

度 Mbps のモバイルWiMAXを

開始予定。4月には、ウィルコムの次

も最大通信速度 Mbps で始動する。

40

世代PHSサービス ﹁ウィルコムコア﹂

が最大通信速度 Mbps のLTEの

さらに2010年には、NTTドコモ

導入を予定している。

  イー・モバイルにとっては、既存サ

DI︶などに対抗するのはもちろん、

ービスで競合するドコモやau︵KD

次世代通信サービスが始動する前に、

なるべく多くの契約者を獲得したいと

ころ。そこでシェアを急激に伸ばして

いる激安小型パソコン市場への〝便乗〟

を思いついた。2年契約が必須の﹁

にわたってユーザーを囲い込める。後

注)業界地図では主な企業を掲載した

円パソコン﹂を売り込むことで、長期

S陣営の機先を制する狙いだ。

発のモバイルWiMAXや次世代PH

スタートするモバイルWiMAXは、

  他陣営の動向はどうか。来年早々に

通信端末の価格やサービスの詳細は未

定ながら、 ﹁契約者1人当たりの月額

収入の平均額で、3200円程度を想

定。他キャリアにコストパフォーマン

スで負けないサービスを提供したいと 121

チップセットへの搭載

V

セット販売する機種や販売価格は量 販店が決定する。積極的に取り組ん でいるコジマはネットでも展開

「100円」で注目の低価格小型パソコン 機能強化し、 「1万円パソコン」でさらに攻勢 「100円パソコン」として注目された EeePC 4G-Xは、オフィスソフトなど を使うにはスペックが不足していた。 しかし、最近登場したAspire oneなど の5万円台の小型パソコンは、EeePC で不満の多かったハードディスクの容 量やCPU性能などが強化してあり、オ

フィスソフトなどもスムーズに使える。 従来の「メールとネットだけ」から「仕 事にも使える」に用途が広がった。こ れが、 「100円パソコン」と同様、イー・ モバイルの2年契約サービスとセット にした「1万円パソコン」や「1.5万円パ ソコン」としても人気を集めている。

100円パソコン スペックは低いが、安さで衝動買いも 店頭活性化

「100円パソコン」はイー・モバイルの通信プラン 「スーパーライトデータプランにねんMAX」を利用 する。購入者は100円でパソコン本体と通信カード を入手し、その後、毎月の通信料をイー・モバイル に支払う。毎月の支払額は基本料2900円で、上限は 6880円。イー・モバイルが従来提供していた2年契 約プランを別途契約するより、9000円ほど安くなる。

100円でパソコンを入手

大手量販店

購入者

●ケーズデンキ ●コジマ ●さくらや ●ジョーシン ●ソフマップ ●ノジマ ●ビックカメラ ●PC DEPOT ●ベスト電器 ●ヤマダ電機 ●ヨドバシカメラ

イー・モバイル 契約者獲得

●パソコンと通信2年契約のセットで「100円パソコン」を購入した場合 購入時の支払額

毎月の支払額

24カ月経過時点の費用

100円

2900 ∼ 6880円

6万9700 ∼16万5220円

EeePC 4G-X

+D02HW(にねんMAX)

アスース・ ジャパン

●パソコンを購入し、別に通信2年契約をした場合(従来型) EeePC 4G-X

売り上げ増

―――

9980円

1000 ∼ 4980円

5万4780円

1000 ∼ 4980円

(新にねん) D02HW

注)スーパーライトデータプランの「にねんMAX」や「新 にねん」の契約時には、手数料として別途2835円がかかる

1万円パソコン

4万4800円

合計

新セットで 約9000円安く 7万8780 ∼17万4300円

スペック充実、値ごろ感でヒット 製品名

Aspire one AOA 150

メーカー

日本エイサー

OS

Windows XP Home(SP3)

CPU

Atom N270(1.60GHz)

メモリー

標準1GB

モニター

8.9型WSVGA(1024×600ドット)

HDD

120GB

重さ

1.1kg

5万4800円のPCが 9980円で入手OK! 「100円パソコン」と同じ イー・モバイルの2年契約 サービスとのセットだと、 9980円で入手できる

高機能PC顔負けの 大容量HDD

考えている﹂ ︵UQコミュニケーショ

ンズ︶という。

バイルWiMAXに簡単に接続できる

﹁内蔵パソコン﹂の商品化に向けた準

備に力を入れる。タッグを組むのは、

国内パソコンメーカー陣営。UQコミ

ュニケーションズに出資するインテル

が、モバイルWiMAX接続機能を搭

載したチップセットを供給し、内蔵パ

ソコンを増やしていく構えだ。ただし、

サービス開始時に内蔵パソコンを発売

は通信端末などでの利用が主になる。

するのは数社にとどまる見込み。当初

が出てきた。 円ブームの主役はEe

GBなどスペックが不足していた。し

e PC 4G │Xだが、記憶容量が4

かし、 最近登場した日本エイサーの ﹁A

sp ire one ﹂など5万円台の

小型パソコンは機能が大幅に強化され

モバイルの2年契約と組み合わせ、

た製品が増えている。そこで、イー・

として販売されるケースが増えてきた。

﹁1万円パソコン﹂ や ﹁ 万円パソコン﹂

性能の高さから見て、買い得感は高い。

待つべきか││。来年のサービス開始

でいいか、モバイルWiMAXなどを

を予定しているとはいえ、次世代通信

サービスの内容は未知数。スタートし

一方のHSDPAは、今後の高速化が

てもエリアの拡大には時間がかかる。

予想され、エリアも拡大しつつある。

はHSDPAが優位といえ、 ﹁1万円

2年契約の〝縛り〟があっても、当面

パソコン﹂を買って問題ないだろう。

  同陣営では今後、通信端末なしでモ

5万円台の商品ながらハー ドディスクは120GB。 「100 円パソコン」のハードディ スクは4GBだった

注)本体サイズは幅249×高さ29×奥行き170 ㎜。 30万画素Webカメラ搭載

  一方のイー・モバイル陣営にも変化

エイサーが8月に発売した低価格小型 パソコン「 Aspire one」 。標準バッテ リーで約3時間稼働する

  現状のイー・モバイルのHSDPA

 日本エイサーが8月23日に発売し た小型パソコン「Aspire one」は、発 売前から予約が殺到する人気ぶりだ。 実勢価格は5万4800円で、イー・モ バイルの2年契約とのセットだと99 80円、いわゆる「1万円パソコン」に なる。日本ヒューレット・パッカード などのパソコンも「1.5万円セット」 で好評。9月にはデルが初投入する 低価格小型パソコンや、アスース・ ジャパンの新機種などがイー・モバ イルとのセットで登場する見込みだ。

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