■2 月 22 日(木) 20 時 42 分 メルローズ散策後、メンバーたちは、KORN のドラム・テックであ るラモーンのイキなはからいにより、ハリウッド某所にあるレコー ディング・スタジオへ。駐車場に到着したメンバーたちがまずそこ で見つけたのはマンキーの姿。そう、他でもない KORN がここで 作業中なのだ! で、さっそくなかに入ってみると、そこには要塞のごときドラム・ セットが。その主はテリー・ボジオ。そう、ドラマーのデイヴィッド・シルヴェリアは家族と一緒に 過ごす時間を重んじたいという理由と、彼自身が経営するレストランの運営に起因する多忙さもあり、 現在はバンドから離脱中。正式な脱退発表はなく、本人が望めばいつでも復帰可能な常態ではあるら しいのだが……。そこで KORN が「少なくとも当面の間、仕事を共にする」ことにしたのが、まさに 生ける伝説ともいうべき名手、テリー・ボジオ。数学的ともいえるプレイ・スタイルとめちゃくちゃ 構成要素の多いドラム・セットでもお馴染みのドラマーだが、現場にいたクルーに「彼がツアーに参 加することになると、ステージ上に他のメンバーたちの居場所がなくなっちゃいますね」と軽口を叩 くと、彼は真顔で頷いた。ちなみに彼の使用するドラム・ライザーの面積は、Shinya の使用するもの の約 2 倍。ボジオ氏のセットを間近で見て衝撃を受けた彼が、今後、ステージ上にもっと巨大な要塞 を築いてやろうとか考えないことを願うばかりです。同スタジオ内では、なんと、かつてデビュー作 レコーディング当時にお世話になった機材テクニシャンと、そのとき以来の再会を果たすというハプ ニングもありました。 スタジオ見学(?)後、一行を乗せたクルマはサンセット・ブルヴァードをひたすら西へ。到着し たのは、ロック・スター御用達の店としてもよく知られる『RAINBOW Bar&Grill』。僕は過去、ここ で泥酔しているオジー・オズボーンに遭遇したことがあります。最後に来たのは VELVET REVOLVER のデビュー・アルバム完成披露パーティーがで行なわれたときだったと思います。店内 の壁はそのオジーや常連客である MOTORHEAD のレミー、MOTLEY CRUE、AEROSMITH など、さ まざまなロック・スターたちの写真でいっぱい。BGM ももちろんロック、ロック、ロック。という わけで写真は、明日のライヴに備えて巨大ステーキでスタミナ補給をはかる黒尾氏でした。
文●増田勇一
■2 月 22 日(木) 16 時 56 分
成田空港から 9 時間のフライトを経てふたたびアメリカにやってきた増田です。昨夜は ほぼ徹夜で原稿書きだったので、機内では比較的よく眠れました。入国審査も超スムーズ。 前回の“METALLICA T シャツ作戦”成功に味をしめ、今回は PANTERA 着用でやって来たのです が、そんな小賢しい真似をするまでもなく「シゴト? カンコ?」と日本語で訊かれ、拍子抜け。 「ヒドリデノヒドドザジュジュビ」と言われたときは「???」という感じでしたが「左手の人差し指 (をそこの装置に乗せよ)」ということでした。 到着後、一行の滞在先であるホテルに直行。駐車場に停車中のツアー・バスに乗り込むと、不思議 なもので「はるばるやって来た」というよりは「帰ってきた」ような気分に。 ひとつ残念なのは、L.A.のくせに珍しく雨が降っているところ。この日は「ライヴのない日は終日 移動」みたいなスケジュールが続いていたメンバーたちにとっても貴重なオフだったのだけども、メ ルローズ通りでの買いものがてらの散策も、雨宿りをしながらとなりました。やっぱりこの街には、 常に晴れていて欲しいものです。
文●増田勇一
■2 月 21 日(月) 21 時 12 分 渋谷 DUO MUSIC EXCHANGE にて DEFTONES のライヴ。18 日に ZEPP TOKYO で観たばかりなの だが、何度でも観たくなる素晴らしく濃密なライヴ。そういえば ZEPP では客席で「増田さんですか? DIARY 楽しみにしてます」と声をかけてくれた DIR EN GREY ファンが。どうして僕の顔がわかっ たんだろう? なんてことはともかく更新を急がなければ。 というわけで現在は終演後。楽屋にて DEFTONES の面々と雑談中。「なんで DIR EN GREY のメン バーたちは来ないの?」「彼らは今、あなたたちとは逆にアメリカ・ツアー中で」という予想通りの 会話をした後、チノ・モレノは「近いうちにまた顔を合わせる機会があるはず。再会を楽しみにして ると伝えておいてくれ」と言い、差し入れの『THE MARROW OF A BONE』を手に上機嫌。ちなみに 彼らのジャパン・ツアーは今夜で終了。彼らは明晩、母国には帰らずにオーストラリアに向かい、そ の後はヨーロッパへ。春はずっと欧州ツアーに明け暮れることになるぞうだ。もちろんその後には全 米ツアーも控えている。「世界をツアーする」ってこういうことなのだな、と改めて思う。
文●増田勇一
■2 月 19 日(月) 17 時 22 分 今も続いている全米ツアーがかなりの好評のようで、今月上旬にはスポーツ紙をはじめ、TV ニュー スやネットなど国内のメディアにその話題を取り上げて頂いたのですが、アメリカでもかなり注目さ れていて、すでにウェブなどでニュースやライブレポートが掲載されているようです。ヘッドライナ ーとしてのツアーに現地の関係者も注目しているようです。 そんな中、国内ツアーチケットの一般発売が開始されました。「THE MARROW OF A BONE」の序章 として昨年 8 月 1 日に日本武道館で幕を開けた「TOUR06 INWARD SCREAM」と、現在展開中の全米 ツアー「TOUR07 INWARD SCREAM」を経て、いよいよ本章「TOUR07 THE MARROW OF A BONE」がここ日本から始まります。地域によってはまだ発売日を迎えていないところもございます が、なんと言っても今回の目玉、千葉の幕張メッセ・イベントホールと大阪の ATC ホール!さらに本 ツアーでは北海道、長野県、高知県、石川県、と久々の公演となる地域もございます。また、ツアー で回ることのできない地域の方には、ぜひお近くの会場まで足を延ばして頂ければと思っております。
「THE MARROW OF A BONE」の世界を堪能した上で、ぜひツアー会場に足を運んでください。そこ では間違いなく CD とは全く違う、進化した現在の楽曲に出会えるはずです。百聞は一見にしかず、 あとは皆さんの目と耳で確かめてください。そして熱いライブにしましょう! なお、ツアーの各会場でオープン、スタートの時刻が異なりますのでご注意下さいませ。
橋本
■2 月 14 日(水) 18 時 36 分 宣伝担当の橋本です。 いよいよ 6th アルバム「THE MARROW OF A BONE」がリリースされたわけですが、前作「Withering to death.」から 2 年ぶりのリリースで、かなり期待をしてましたがはるかに上を行かれました。スケー ルアップにもほどがあります!そんな今作、流通の Sony Music Distribution(Japan)Inc.から、初回盤を 全て出荷し倉庫から在庫がなくなったと連絡があり、リリース日にして在庫完売となりました!!こ こまでストイックな音楽に対する需要が高いことには毎回驚かされます。また、今回初の試みとなる 「UNPLUGGED DISC」は、音楽性の幅広さを改めて実感できる楽曲が収録されています。彼らはこ れをアルバム制作過程の終盤で、「ノリ」で始めてこれだけのものにしてしまうから凄い・・・。 気になるチャートですが、2/19 付けのオリコンのアルバムウィークリーチャートで 7 位にチャートイ ンしました。これでメジャーデビューからのシングル全 20 作、オリジナルアルバム全 6 作、通算 26 作全てがトップ 10 入りを果たしたことになります。J-POP とは真逆の方向に進みながら、チャートに
反映されるだけの数字を毎回たたき出すのだから、このバンドの持つパワーとカリスマ性に自信を持 って唯一無二だと打ち出せるわけです。スタッフですら気を抜いてたら取り残されそうなぐらい急激 に進化を続けていて、昨年の「TOUR06 INWARD SCREAM」で披露されてきた「THE MARROW OF A BONE」収録曲についても、そのツアー中での進化を感じた方もいるかと思います。今もなお進化 を続ける楽曲が最新のツアーでどのような進化を遂げているか、あの張り詰めたステージの緊張感の 中でどう表現されていくのか、今からライブが楽しみです。 ご存知の方も多いかと思いますが、この「THE MARROW OF A BONE」は世界 11 カ国でのリリース を予定しており、各地での反応も気になるところですね。
橋本
■2 月 14 日(水)08 時 05 分 アメリカに来てからというもの、早起きが身についてしまっています。基本的な 1 日の流れは既に inoue が書いていますので、メンバーバスに同乗しているスタッフの動きでも書いてみようかと思い ます。 本番が終わってから 2 時間ほどで撤収作業が終わります。かなりスピーディーです。そこから会場ま たはモーテルにてシャワーを浴びてそれぞれのバスに戻る、まではだいたい全員が同じ流れです。 ここから inoue は明け方、というよりは完全に朝になるまで日本側とのやりとりをしながら仕事をし ます。ちょうど日本は夕方~夜にかけての時間帯なので、事務所との連絡がつきやすいのです。フロ ントラウンジから姿を消すのが 7 時ごろ、そして搬入・セッティングのころには既に会場内を散策し ています。 Nora は翻訳の仕事や日本とアメリカの間に入っての交渉・折衝状況の確認、そして翌日の公演で必要 な資料作成などをします。彼女も明け方まで PC に向かい、会場到着とともに活動を始める生活をし ています。 そして私はというと、その日に撮った写真の整理とチェックを行い、洗濯物をまとめます。バスが動 き出す 2 時ごろに一度退散し、Nora または inoue と入れ違いくらいのタイミングで始動します。とい うのも、グッズデザインを依頼しているデザイナー依田氏が昼間は外に出ていることが多く、連絡が つきやすくなるのが日本時間の深夜、つまりアメリカ時間の朝方からなのです。
こうして時差と格闘しながら、それぞれの仕事内容に合わせたサイクルで個々が動いています。 Syd いわく、本日はあと 3 時間ほどで到着とのこと。 今日の会場はどんな場所なんでしょう…。
カタオカ
■2 月 14 日(水)01 時 25 分 ひと段落。 本日の公演で、全 18 本のうち半分を越える 10 本目のライブが終わりました。凝縮した日々を送って いるためか、「もう後半か、早いな」と言うメンバーもいたり、「まだここからが長いな」と改めて 気持ちを引き締める声も聞こえたりしました。 個人的には 2 本目のライブなのであまり実感がないのですが、inoue いわく、やはりライブは急速によ くなってきているとのことです。ということは、ここから後半戦はそれを目の当たりにすることにな るのでしょうね。今後はできる限りライブの様子などもお伝えできればと思っています。 話は変わり、今日は Jeremy が遊びに来てくれていました。昨年の FAMILY VALUES に出演した BULLETS AND OCTANE のツアーマネージャーをしていた人です。とっても料理が得意なフィアンセ がいるのですが、今日もお手製のブラウニーを差し入れしてくれました。意外に甘いものも食べる Dir en grey、終演後にはもう半分も残っていないほど好評でした。ご馳走様です。 あっ!半年振りの再会だったのでちょっと緊張してしまい、写真を撮るの忘れてました…。
カタオカ
■2 月 13 日(火) 19 時 29 分 本日は RH 後に打合せがありました。春のツアーグッズとステージプランについてです。日本にいる 間に今回のアメリカのプランニングや打合せ、そしてアメリカでは日本のツアーの打合せ、現在が未
来へと続いていることをこういう瞬間に感じます。
打合せの後、本日も京の撮影を行いました。階段の絵もなかなかのものですが、楽屋に併設している シャワールームの壁もかなりアートな雰囲気でした。ということで、本日のベストショットをどうぞ。
カ タオカ
■2 月 13 日(火) 13 時 31 分 本日は Chicago の House of Blues です。HoB は全米各地に系列のライブハウスがあるようで、内装が なかなか面白い造りになっています。 Chicago はステージが 3 階、楽屋が 5 階にあるのですが、5 階まで上がる階段の途中、壁には写真が飾 られていたり、イラストが描かれたりしていました。しかも、階を上がるごとにテーマというか、コ ンセプトが違ってるんです。
まずは 2 階から 3 階への部分。 そしてステージのある 3 階。
楽屋への扉の前はこんなかんじ。
会報 などで楽屋ショットを見たことのある方は、日本のライブハウスのシンプルな造りとの違いに驚かれ ることかと思います。この壁画のおかげで、長い階段を行き来しながらも自分が何階にいるのかすぐ 分かるのでとても便利です。トラックを何周も走るよりロードで景観に変化があった方が気楽に走れ る長距離走と同じで、5 階を往復するにもちょっと気分が紛れている気がします。
カタオカ
■2 月 13 日(火) 03 時 47 分 無事本番も終わり、モーテルでシャワーを浴びたメンバースタッフ陣ともほぼ眠りについています。 こちらメンバーバスのフロントラウンジでは、無作為にテレビに映し出されている映画の音声と、 Nora、inoue、そして私の叩くキーボードの音が響いているところです。 私は今日(厳密には昨日)、このツアーの LIVE を初めて観たわけです が、昨年のアメリカ Showcase、FAMILY VALUES と大きく違うと感じ
た点は、LIVE がより DIR EN GREY の LIVE であること。それは当たり前のことなんですけど、そう いう表現が一番しっくりくる LIVE でした。 HEADLINE であることから、日本とほぼ同じ演奏時間で LIVE を展開できること、RH 時間がしっか り取れること、ツアーも中盤に差し掛かり、楽器・音響・照明・映像などのスタッフ陣がよりバンド に近い位置でサポートできるようになっていること、そして ALBUM『THE MARROW OF A BONE』 の楽曲たちが本来持つ LIVE 感が、SET LIST の中で更に際立って発揮されていること…。 「LIVE が LIVE である」そう感じられる要素を挙げればキリがないのでしょうけど、そんな細かいこ とは抜きにして、「あぁ、DIR EN GREY の LIVE だ」と感じられるステージでした。
カタオカ
■2 月 12 日(月) 17 時 43 分 RH が終わってから本番が始まるまでの間、雰囲気のいい会場では京の写真を撮るこ とがあります。先ほどの楽屋同様、古めかしいこのライブハウスの至るところに良 いシチュエーションがあったので、3 ヶ所くらいをピックアップして写真を撮ってみ ました。 ディレクションを取るのは京。明るさやアングルを相談しながらラフなかんじで撮 影をするわけですが、「OK です」と声をかけた後に、自然に歩いている京の姿など を追加で撮ったりもします。そんな中の 1 枚、偶然撮れた産物です。
カタオカ
■2 月 12 日(月) 13 時 34 分 セッティングが進む会場内。「ステージが狭いな」「これだと Toshiya のスペースがないよ!」「照 明が壊れてる!」なんとか聞き取れる英語を拾ってみると、色々とトラブルがありそうな雰囲気。 黒尾氏が薫のモニター前に、inoue が Toshiya のマイク前に立ち、Gene がドラムライザーの前からそれ を確認する。
ino「もう少しドラム上手に寄せられる?」 Cris「少しならいけそう」 Gene「このくらい動かそう」 手で 30cm 程度の幅を示す Gene。 ino「薫くんの方は?」 Kuroo「もうちょっとサイドに寄せようか」
i そんなやりとりがステージ上で繰り広げられている中、フロア中央には脚立が持ち込まれ、Kade が会 場スタッフに指示をしながら、照明の修復作業を黙々と行う。 RH まで、あと 2 時間半。
カタオカ
■2 月 12 日(月) 12 時 54 分 ここまで私の DIARY に写真が 1 枚もないのは、出発時あまりに慌てていたため、カメラの中に SD カ ードを入れないままで飛び出してきてしまったからです。昨日の買い物チームにお願いして SD カー ドを購入してきてもらったので、今日からは写真も合わせて UP していきたいと思います。
そ んな記念すべき 1 枚目の写真はこちら。本日の会場、St. Andrews Hall の楽屋です。会場の地下にあり、 紅い照明とちょっと古めかしいかんじのするソファが無造作に置かれただけのスペース。置き場に困
ったのか、京のライダースがこれまた無造作にかかっているのもいい雰囲気ですね。 そんな静まり返った楽屋の様子でした。
カタオカ
■2 月 11 日(日 )16 時 42 分 本日は移動日です。深夜に TIMES SQUARE を後にしたバスは、午後に入り、明日の公演都市 Detroit のとあるモーテルに到着しました。 昨夜合流した時には「来て早々 OFF だとは、なんて贅沢なヤツなんだ」「ここまでが大変やったんや で」とさんざん言われた次第ですが、確かにアメリカのバスツアーでは 1 日の流れが出来上がり、生 活リズムを掴むまでがけっこう大変なことなんです。昨夏の FAMILY VALUES でバスツアーを経験し たとはいえ、今回は雪の降りしきる真冬なわけですから、かなり勝手も違ったようです。 とはいえ、OFF の日だからと私も一緒に休んでいられるわけではありません。菅家からの引継ぎ資料 に目を通した後は、バス内のモノの置き場を全て把握するため、ありとあらゆる引き出しや戸棚を開 いては閉じ。これはバス・楽屋管理の一環ですね。各メンバーが自分のモノがどこにあるかを軽く説 明してくれたこともあり、この作業はスムーズに終わりました。 続いて、昨日着用した衣装の洗濯。これは衣装管理の一部です。モーテルのゲストランドリーで洗濯 を済ませ、シャワー用に借りている部屋にズラッと干して完了。ランドリーには乾燥機もあるのです が、メンバーから「衣装はデリケート扱いで洗って自然乾燥で」との希望があったため、グルグル乾 燥させることは NG なのです。そりゃそうですよね、乾燥機を使うと縮んでしまいますから。(実際、 一度 Die のカーゴパンツを縮めて、スリムパンツにしてしまった経験があります…)素材によっては 手洗いを要される衣装もあります。 ところでメンバーはと言いますと、久々の OFF に体を休めている人、近くのマーケットに買い物に行 っている人、部屋(と言ってもベッドですが)で DVD を観ている人など、さまざまです。 夕食のデリバリーまで少し時間があるようですので、私も引き続き PC に向かってみることにします。 では、また明日。
カタオカ
■2 月 11 日(日)1 時 49 分 JFK 空港からタクシーで走ること約 30 分、本日の公演が行われた Nokia Theater に到着したのは午前 1 時を過ぎたころ。39 時間もあった私の 1 日は、あっという間に終わっていました。 タクシーを降りて Harry に電話をすると、「Give me 1 minute!」との答えとともに通話が途切れ、本 当に 1 分足らずで迎えに出てきてくれました。 「寒いー!」久々の再会で最初に出た言葉はこれでした(もちろん日本語です)。LA の気温は夢だ ったのかと思うほど、NY は極寒でした。「Too cold!」笑いながらバスへと案内してくれる Harry に 従い、寒さを紛らわすために小走りで角を曲がると、巨大冷凍庫が 2 台目の前に現れた!…と本当に 思いました。でもそれは、メンバーバスとスタッフバスだったのです。バスの外面は完全に凍り付い て霜降り状態。本来真っ黒なはずのメンバーバスも、びっちりと張り付いた霜でグレー、いや銀色に しか見えません。 「おはようございまーす!」時間帯に似つかわしいとは言い難い挨拶と共にバスに乗り込むと、「や っと着いたか~」「待ちくたびれたわ」という温かい呆れ声に迎えられ(予想外にタクシー乗り場で 待たされて、予定より遅くなってしまったのです)、無事辿り着いた安堵感でいっぱいになった私。 なんせ初めての単独海外渡航でしたから。 菅家から引継ぎ物品を受け取り、引継ぎ事項を手短に聞くと、「お疲れ様でした!残りも頑張ってく ださい!」これまた慌しく挨拶をすませて彼女はバスを降りました。そう、私が着いたということは、 菅家は帰国してしまうのです。手を振る菅家と他のスタッフを後に、バスはゆっくりと次なる地デト ロイトへ向けて走り始めました。
カタオカ
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