Japanese Folk Tale

  • May 2020
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  • Words: 19
  • Pages: 1
1)孝行鏡 2)むかし。親孝行な息子がおった。3)父親が死んだので京都へお参りに行 った。4)そこで不思議な物のおる店屋にゆきあった。  5)その店先には、なんと死んだ父親に生きうつしの人間がいる。6)孝行息 子が、『これ、なんな』と店の人にたずねると、店の人は、『鏡というもんで す』と言う。 7)京に来ると、不思議な物あるもんじゃ、これさえあれば、毎日父親の顔が 見られろと思い、孝行息子は買うて帰った。8)帰ってからも、父親の顔を見 ようと孝行息子は毎日毎日鏡を見た。 9)あんまり毎日見るので嫁さんが焼き餅をやいて,『何を毎日見とるんじゃろ うか』と思ってこっそり見ると、何と若い女がそこにおる。10)嫁さんはか んかんにおこって、とうとう夫婦げんかになってしまった。  11)ちょうどそこへ寺の尼さんが通りかかり、『何が元で夫婦げんかになっ たんな』 とたずねると、こうこうしかじかだと答える。そこで尼さんはひと 思案して、『そりゃ、嫁さんがおこるのは無理ないけど、おなごの人も、後悔 して尼さんになっとるから仲直りしな』と言った。 12)嫁さんが、びっくりして、そっとのぞいてみると、尼さんの言うとおり もうなししゃんしゃん。

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