Social Network Granovetor

  • May 2020
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  • Words: 98
  • Pages: 2
Session9 社会的ネットワーク研究その1

秋吉 真衣

”The strength of weak ties”  Mark Granovetter グラノヴェターは社会学(sociology)の中で社会ネットワーク研究を行っており、今回の論 文では集団に形を与えている隠れた構造を発見するソシオメトリー研究にスポットライト を当て、個人の行為の小規模な相互作用であるミクロレベルに注目している。これを組織 や一般的社会凝集性などのマクロレベルに結びつけることが筆者の目的である。彼は個人 間のネットワークが「紐帯の強さ」によって変化することを様々な実験を用いて述べてい る。 この論文におけるグラノヴェターの主張の要点をいくつか挙げてみると、 1.弱い紐帯 A と B、A と C の結びつきが強いほど B と C がつながりを持つ可能性が高い 2.強い紐帯より弱い紐帯の方がより大きな社会的距離を乗り越えることができる。 3.弱い中退を多く持つ個人は困難なイノベーションを普及させるのに有利である。 4.異人種間の弱い紐帯は社会的距離を乗り越えて橋渡しする上でより効果的である。

ここで彼の言っている弱い紐帯のメリットをまとめてみると、遠くまで情報が行き渡る、 異なる情報が手に入る、距離を乗り越えられる(地理的、身分的、地位的)などが挙げられ る。これより言えることは❶多くの情報を得たいとき❷広く情報を広めたいとき には弱い紐帯が効果的であるということである。よって私は2つの場合において効果的な ネットワークを構築するために、紐帯の数と紐帯の強さを軸に4つのパターンを考えた。                                                         ❶ 多くの情報を集めたい=就職活動 仮説❶ 個人の場合において、就職活動の成功率の高さは②>①>④>③の順番になる。 理由:情報の量において、紐帯が多いほど入手できる情報は多い    情報の質において、紐帯が弱いほど様々な場所からの異なる情報が入手できる ② 様々な場所から多くの情報が入手できる。 ① 限られた場所から多くの情報が入手できる。 ④ 様々な場所から少ない情報が入手できる。 ③ 限られた場所から少ない情報が入手できる。 ❷ 広く情報を広めたい=新製品、新店舗、ベンチャー企業 仮説❷ベンチャー企業のトップのもつネットワークが②>①>④>③の順に企業は認知度 を上げるのが早く、安定した収益を得られる. 理由:ベンチャーはまずは自らを知ってもらうことが先決。そのためにはトップの持つ弱 い紐帯のネットワークを生かして認知度をあげていかなければならない。    ②トップが幅広い分野で多くの情報を発信できる    ①トップが狭い分野で多くの情報を発信できる    ③トップが幅広い分野で少ない情報を発信できる    ④トップが狭い分野で少ない情報を発信できる

Session9 社会的ネットワーク研究その1

秋吉 真衣

この2つの仮説の面白いところは、数と強さの両方に注目しているところである。同じ数 であっても紐帯が強いのと弱いのではネットワークに変化が現れる。又同様に同じ弱い紐 帯でも数が多いのと少ないのではまた違ってくる。この論文の主張に従えば、同じ数でも 紐帯が弱い方がより広い情報の伝達が可能であると言える。仮説❶が証明されれば今後の 学生の就職活動においてどのようなネットワークが有益であるかを検証することが可能で あり、仮説❷ではベンチャー企業のトップに必要なネットワークを検証できるので、社会 的に意味のある研究だということができる。私が実際に行うならば、❶の方について、現 3年生をサンプルにとり、彼らのもつネットワーク内の紐帯を調べ、1年後に自らのネッ トワークを介して希望の職を得られた人と自らのネットワークを介して得ることができな かった人を比較し、紐帯の数、強さを分析し、仮説を検証してみたい。

もし私が社会的ネットワークの研究者であるならば、マクロレベルでの社会的ネットワー ク研究を行いたい。というのも今回の豚インフルエンザ流行に何かしらの社会的ネット ワークからのアプローチ法を見つけられたら面白いなと思った。例で言えばワクチンであ る。ある1国で新型ワクチンが開発された場合どの国を介せば最も迅速に短い距離で全世 界に広めることができるのか。その際に効果的なのは強い紐帯なのか弱い紐帯なのか。も ちろん国家というものは複雑で地理的要因や政治的要因なども関わってくるので単純に一 つの node として扱うことは難しい。だがしかし社会的ネットワーク研究はよりいっそう 大きなマクロレベルで見ることでより価値を生み出すものであり、社会への貢献となりう ると私は思う。 質問事項 ① 紐帯の強さはともに過ごす時間量、情緒的な強度、親密さ、助け合いの程度と記して あったが、これらの要素をどのように組み合わせて強弱を判断するのか ② 同じ強さの紐帯でも、positive と negative では結果が全く異なる。negative な感情の紐 帯は「弱い」で表すのかそれとも情報が全く行き来しないと仮定して「紐帯なし」と判断 するのか。

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