Schools & Jica

  • May 2020
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  • Words: 425
  • Pages: 42
学校とJICA 学校と JICA 〜「国際理解教育の現場から」 「国際理解教育の現場から」〜 〜

国際協力事業団 ジュニア専門員 中山 嘉人

本日のメニュー  「国際理解教育」の範囲 〜「地球市民教育」「国際理解教育」「開発教育」〜

 日本における「国際理解教育」の 現状と課題 〜「学校教育現場」「社会・地域」「地方自治体」〜

 国際理解教育(開発教育)におけるJICA の活動と役割  今後の課題と方向性

「国際理解教育」の高まり 1980年代:企業・経済の国際化

「国際」の二文字 国際貢献、国際協力、国際開発、 国際経済、国際政治等

「国際化に対応 対応するための 対応するための教育 するための教育」 教育」の必要性

国際理解教育、開発教育、環境教育、 人権教育、異文化理解教育など

「地球市民(のための)教育」

「地球市民教育」 世界(国際社会)を知ることであり、 異人種、異民族、国家、言語などの 多くの壁を乗り越えて同じ地球の住民 としてその隣人たちの歴史・習慣・生活を 理解すること(=異文化理解)。 対象は、開発途上国、先進工業国を問わず 全ての国家・地域。

1970年代後半~80年代後半 欧米などの先進諸国を念頭においたもの

日本の国際社会のおける 政治・経済面及び環境面等 グローバルな分野での役割の増大

国際理解の対象を広げる方向

欧米での「開発教育」 議論され始めたのは、欧米等では1960年代 • 開発途上国で支援活動に参加した欧米の NGOの人々が、本国に帰国後、各地で報告会 を開催し、途上国に対する理解増進と支援活動 への参加を市民に呼びかけた。 • ユニセフやILO等の国連諸機関でも開発教育に 取り組もうとする動き。

=>Development Education (開発教育)

日本での「開発教育」 1977年:『新たな開発教育を目指して』 青年海外協力隊事務局 日本の教科書における南北問題や開発問題の記述を調査 1979年:『開発教育シンポジウム』国連広報センター、 国連大学、ユニセフ駐日代表事務所主催 1980年:「開発教育研究会」組織 1982年:「開発教育協議会」東京で設立

「開発教育」の真の目的 なぜ途上国はいつまでも途上国のままなのか、 何が原因でそうなのか、どうしたら克服できるのか を理解するための教育 開発途上国の発展と地球環境の改善は、先進国 (もちろん日本も含め)にとって大きな意味(メリット) があることを理解するための教育

地球市民教育 国際理解教育 −国際交流の原点−認識(学習) −先進国、途上国など全ての 地域が対象 開発教育 −国際協力の原点−実践(行動) −主として開発途上国が対象

実態調査・ニーズ調査  平成10年11月中下旬  全国の学校関係者  無作為調査(小・中・高校各300校、 計900校に1校あたり5通郵送)  ニーズ調査(本人1027人に1通ずつ郵送)  回収率:共に約4割

どの用語を聞いたことがありますか? (複数回答可) 1400 異文化理解教育

1200

国際理解教育 グローバル教育 グローバル 教育

1000

国際教育 開発教育

800

平和教育 ワールド・スタディワールド・スタディ - ズ

600

環境教育 人権教育

400

多文化教育 全 て 知 らない

200 0

その他 その 他

件数

日本における 日本における「 における「国際理解教育」 国際理解教育」 の現状と 現状と課題

学校教育現場における 学校教育現場における取 における取り組みの現状 みの現状 企業の国際化 海外長期滞在者の増加 「帰国子女」の帰国後の 日本適応に関する問題 異文化理解に対する研究及び実践

1990年代初頭~: 日本の技術力、経済力 =>日本「国内」の国際化 =>学校現場:多民族国際社会の縮図 =>異文化理解の必要性

1996年7月: 文部省中央教育審議会 『21世紀を展望した我が国の 教育のあり方について』 第一次答申第3部第2章「国際化と教育」 =>国際理解教育の重要性、 =>「総合的な学習の時間」の提案

主な具体策 •語学補助教員 •JOCV等への現職教員の参加 •生徒会活動等による募金活動や 物資救援活動の広がり •参加型学習による異文化擬似体験 •海外への修学旅行、研修旅行

課題 •教員 教員の 教員の職務増大: 職務増大:開発教育 のための環境整備 のための環境整備 =>JICA研修 =>JICA研修センターの 研修センターの存在 センターの存在「 存在「留学生が 留学生が先生」 先生」 •量的拡大 量的拡大の 量的拡大の不足 •教材 教材の 教材の質と量

授業に取り上げない理由は何です か? (複数回答可) 600

教材が足りない 時間がない

500 上司や同僚の理解が ない 情報が少ない

400 300

一緒に行動する仲間 がいない 学ぶ側に興味がない

200

活動資金がない 特に必要がない

100

その他

0

件数

社会・ 社会・地域における 地域における取 における取り組みの現状 みの現状

開発NGO、YMCA等の青少年団体、 国連機関、JOCV国内関連団体

NGOによる NGOによる活動 による活動の 活動の具体例 •スタディー・ツアー/ワークキャンプ •フェアトレード •講師派遣 •報告会/連続講座 •教材作成/図書出版 •イベント/キャンペーン =>貧困や飢餓、環境破壊や人権侵害など の実状や実態の情報及び学習の場の提供

課題 •予算や人員の不足 •外部財源の確保 •人材の養成 課題

•教育関係者などとの連携協力 •経験や情報の共有:各地域の •ネットワーク型NGOの必要性

地方自治体( 地方自治体(地域国際化協会) 地域国際化協会) による取 による取り組みの現状 みの現状 *「地域国際化協会」 自治体が出資して設立した国際交流協会のうち、 都道府県・政令都市設立の協会を地域における 国際化を推進する中核的民間国際交流組織として 自治大臣が認定したもの。

具体的な 具体的な活動 •セミナーや講演会の開催 •図書・資料の整備 •教材や題材の提供 •講師の派遣 (協力隊OB/OG、留学生、研修生等) •開発途上国へのスタディー・ツアーの実施 •資金援助 •各種センター等施設の利用

課題 •「開発教育」の理念や必要性に対する 認識不足 •予算不足 •担い手の不足:一部熱心な教員やNGOの スタッフ等個人の努力に支えられている • 情報不足:開発教育に関する人材や教 材、NGO、研究会・研修会、先進的な取り 組み事例等の情報が共有化されていない。

「課題」 課題」のつづき

•教育行政(自治体、教育委員会、学校)と 地域国際化協会との連携、役割分担が できていない。 •NGO、民間団体と地域国際化協会との 連携が少ない •全体としての目標の設定や年度計画がない •地域の特性(歴史、風土、文化、産業) やニーズを生かした取り組みが見られない

「国際理解教育( 国際理解教育(開発教育)」 開発教育)」 におけるJICA におけるJICAの JICAの活動と 活動と役割

JICAによる開発教育支援事業

① 情報提供 ② 人材育成 ③ 教材整備

情報提供 •協力隊OB/OG、海外からの研修員に よる学校訪問 •パンフレット作成 •社会科教材への情報・資料提供

人材育成 •中学生・高校生エッセイコンテスト、大学生 論文コンテスト •中学校・高校教員の海外研修 •高校生国際協力実体験プログラム •地域との連携セミナー(国際協力市民講座、 各種国際協力キャンペーン等)

「人材育成」 人材育成」のつづき

•海外研修への便宜(協力隊員現場見学、 交流会、ホームステイ等) •サーモン・キャンペーン(講師派遣:協力隊・ 職員等) =>学校訪問を行い、体験談、国際協力に ついての説明 •インターン受入

教材整備 •開発教育支援教材の作成 •写真パネルの貸し出し •機関誌「クロスロード」「国際協力」の編集

資金提供 •講師への謝礼 •開発教育関連シンポジウムの共催

「国際理解教育」 国際理解教育」支援の 支援の 課題と 課題と今後の 今後の方向性

将来的に取り組むべきと考えている 課題は何ですか?(複数回答可) 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0

資金づくり 資金 づくり

教材作り 教材作り

人材養成

ネットワーク作 ネットワーク作 り

その他 その他

国際理解教育の 国際理解教育の普及

情報提供

人材育成

地域展開型 ネットワーク構築 ネットワーク構築 教材整備

資金提供



ありがとうございました。

JICA分野別事業実績 JICA分野別事業実績 (1990年代平均 1990年代平均) 年代平均) 社会福祉 1.3%

その他 6.9%

保健医療 10.9% 人的資源 12.2% 商業・観光 2.4% エネルギー 3.0%

計画・行政 20.6% 公共・共益事業 9.5%

鉱工業 11.0%

農林・水産事業 22.3%

教育協力実績 (1999年度 1999年度サブセクター 年度サブセクター別 サブセクター別) 教育行政 8.0%

就学前教育 0.9% 初等・中等普通 教育 13.4%

職業訓練・産業 技術教育 32.1%

中等技術教育 13.4% ノンフォーマル 教育 8.0%

高等教育 20.5% その他 3.6%

教育協力実績 (1999年度 1999年度サブセクター 年度サブセクター別 サブセクター別) 欧州北米地域 4.0%

その他 3.0%

アフリカ 21.0%

中近東 11.0%

アジア 40.0%

中南米 17.0% 大洋州 4.0%

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