みろくビレッジ事業計画書(2009年8月7日)

  • Uploaded by: Konohana Family
  • 0
  • 0
  • May 2020
  • PDF

This document was uploaded by user and they confirmed that they have the permission to share it. If you are author or own the copyright of this book, please report to us by using this DMCA report form. Report DMCA


Overview

Download & View みろくビレッジ事業計画書(2009年8月7日) as PDF for free.

More details

  • Words: 489
  • Pages: 12
京都・綾部

みろくビレッジ

事業計画書 はじめに

—————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————

事業コンセプト 組織関連図

————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————

2

——————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————

4

NPO 法人の設立について

———————————————————————————————————————————————————————————————————————————————

エコビレッジ設立に関するノウハウの習得体制

5

———————————————————————————————————————————————————

6

———————————————————————————————————————————————————————————————————————————

7

————————————————————————————————————————————————————————————————————————

8

—————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————

9

地域との連携および波及効果 旧奥上林幼稚園の活用について 推進日程

1

未来への展望

——————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————

2009 年 8 月 7 日 みろくビレッジプロジェクト

10

みろくビレッジ 事業計画書

はじめに 戦後の経済成長は日本に物質的豊かさをもたらし、幸福な将来を約束しているかのように 見えました。しかし、世界第二位の経済大国になった私たち日本人が経験しているのは、環 境破壊、コミュニティの崩壊による人と人との繋がりの希薄化、都市生活者の疲弊、自殺者 の増加、医療・福祉への不安、都市人口の集中による地方の衰退、格差の拡大といった数々 の深刻な問題です。 こうした問題に対する解決策のひとつとして、今、世界中で実践が行われているのが「エ コビレッジ」と呼ばれる暮らしです。 エコビレッジとは、 「お互いが支え合う社会づくり」や「環境に負荷の少ない暮らし方」を 追求する人々が形成するコミュニティのことをいいます。エコビレッジにおいて人々は暮ら し全体を大きな「いのちのつながり」として捉え、人と人、そして人と自然のつながりを取 り戻し、互いに支えあう生活を目指していきます。 地球温暖化やグローバリズムといった地球規模の問題に対する意識を持ちつつ、地域文化 や資源の尊重、有効活用を重視するのもエコビレッジの大きな特徴です。また、エコビレッ ジでは環境に配慮したライフスタイルだけでなく、精神文化的価値を重んじ、国民性や地域 文化に根ざした調和と秩序を大切にします。こうした取り組みから、エコビレッジは持続可 能な社会づくりの良き実践例として、国連からも認められています。 私たち「みろくビレッジ」は、綾部市を舞台とした新たなエコビレッジづくりのプロジェ クトです。綾部市は豊かな自然環境と歴史、行政と民間が連携した活発な地域おこしで育ま れた豊富な実績と人的資源、そして「世界連邦都市宣言」に代表される平和への強い願いな ど、国際的な発信力を持つエコビレッジ創設の地として理想的な環境であると考えています。 綾部の地において、私たちは地域の方々とともに、人と人が助け合い、自然とともに生き る美しい暮らしを実践したいと願っています。そこに集う人々が真にその地を愛し、自然環 境を守り、相互扶助の精神をもって互いの暮らしを守り合う。そんな暮らしを実現すること で、地域の可能性を最大限に生かすとともに、現代社会のさまざまな問題に対する地球規模 での解決案を提示することができる――そう、私たちは考えています。

1

みろくビレッジ 事業計画書

事業コンセプト エコビレッジでは、暮らし全体を環境、世界観、経済、社会の 4 つの要素からホリスティ ック(包括的)に捉えます。これらの要素は、持続可能な社会の実現に欠かせない基本的か つ本質的な要素です。

環境 自然のサイクルや自浄作用を無視した現代のライフスタイルを見直し、環境配慮型、循環 型の持続可能なライフスタイルを目指します。 具体的には、環境負荷の少ない住環境の整備、持続可能な食糧生産、適正技術の利用、地 域を巻き込んだ総合的なコミュニティづくりを実践します。 住 地域の既存構造物を地域の自然素材を活用して改修、再利用します。また、新たに建物が 必要となった場合は、地域の自然素材や人脈を活かし、自然環境に配慮した建築を行います。 建物の配置や構造においては、コミュニティ内の相互扶助や地域との積極的なコミュニケ ーションを前提として、開かれた環境づくりを行います。 エネルギー 綾部の気候風土に適した自然エネルギーを調査し、現実的に運用できるエネルギー生成の 仕組みを導入します。 食 環境保全型農業と地域内の有機物の循環システムを軸とした持続可能な食糧生産を確立、 コミュニティ内の食料自給と地域への安心・安全な農産物の供給を目指します。人間だけで なく、地域に住むすべての動植物が健全に育つ環境づくりを心がけ、地域の生態系の多様化 を図ります。 また、菜食を基本とした日本の伝統食を大切にし、地域の伝統食の継承を図ります。

世界観 「環境」 「経済」 「社会」といった要素の柱となり、それらの要素の方向性を決定づける「世 界観」は、コミュニティづくりにおいてもっとも重要な要素です。 こころ こころの豊かさを大切にしたコミュニティづくりを目指します。他者を思いやることので きる、気持ちの通い合った人間関係を大切にし、「思いやり」や「感謝」、「助け合い」など、

2

みろくビレッジ 事業計画書

人としてあるべき姿を大切にした生き方を目指します。また、自然の声に耳を傾け、周囲の 人間だけでなく、自然環境とも調和した生き方を目指します。 一人一人が地球規模の視野に立って行動できる視座のもとで、日本や地域の文化、調和の 心、相互扶助や「もったいない」の精神など、伝統的な価値に新たな光をあて、生活の中に 取り入れていきます。 健康・福祉 コミュニティにおいては自給した安全な食材による菜食を基本とした食生活、自然の摂理 に沿った規則正しい暮らし、相互扶助による心理的サポートにより、コミュニティ全体で「病 気にならない暮らし」を実践します。また、病気治療においては、自然治癒力を高める代替 医療や統合医療を積極的に取り入れ、医療や投薬に頼りすぎない生活を目指します。 こうしたライフスタイルの実践と発信により、地域福祉のあり方にひとつのモデルを提示 します。

経済 世界を覆い尽くすグローバル経済は、その利便性や利潤の追求の果てに、昨年来の金融危 機に象徴される大きな経済不安を引き起こしました。 みろくビレッジでは「グローバリゼーション」に対して「ローカリゼーション」、すなわち 人やモノ、知識やお金など、社会を構成する重要な要素が地域内で健全に循環する仕組みの 構築を重視します。 具体的には、環境保全型農業の実践や、地産地消を基本とした地域循環型の資源サイクル の確立を目指します。また、移住者を中心とし、都市や海外も含めた幅広いネットワークを 持つコミュニティの住民と地域の人材の協働により、人的資源の循環を行います。

社会 エコビレッジの計画段階においては、ともすれば環境への配慮や建築構造物、経済システ ムといったハードウェア的な要素が優先されることがあります。しかし、現実のエコビレッ ジ運営の成否の鍵を握るのは、コミュニティ内における共通の価値観の醸成や維持、調和あ る人間関係の構築といったソフトウェア的な要素です。海外の先進事例においてはこうした 点が非常に重要視されており、さまざまな仕組みが整備されています。 みろくビレッジでは、こうした点において豊富なノウハウを積んだ既存のエコビレッジの 全面協力により、コミュニティの構築前に全体の価値形成や意思決定などについて実践的な 学習を行います(5 ページ「ネットワーク組織、既存のエコビレッジ等による協力体制」参 照) 。

3

みろくビレッジ 事業計画書

組織関連図

4

みろくビレッジ 事業計画書

NPO 法人の設立について 「みろくビレッジ」は、有志の個人、非営利組織や企業、既存のエコビレッジなどの団体 の協力のもと、コミュニティの運営および支援活動の中核組織として NPO 法人「みろくビ レッジプロジェクト」を設立します。 同法人はコミュニティの非営利事業の運営を統括します。また、広く賛助会員や協力会員 を募集してコミュニティのサポーター団体を組織、全国の会員でコミュニティの事業を支え ます。 なお、設立(2009 年 10 月を予定)当初は任意団体として活動を開始、運営組織や方針を 策定した後に NPO 法人格を取得します。

組織構成 • 理事・・・意思決定機関 • 事務局・・・執行機関 • 呼びかけ人・・・設立へむけての賛同呼びかけをします。

参加者・協賛団体(予定) • 理事

日本大使)

上仲 繁一(上仲建築有限会社)

鹿子木 旦夫(大本)

片井 修(京都大学大学院教授)

塩見 直紀(NPO 法人里山ねっと・あやべ)

古田 偉佐美(木の花ファミリー)

大下 伸悦(株式会社コスミック・フォー

羽木 みどり(一級建築士事務所アークス

ラム代表取締役、グリーンオーナー倶楽部

タジオ)

主宰)

• 事務局 田中 宏之(事務局代表)

協賛団体

名越 万里子(国際日本文化研究センター)

いのちの村ネットワーク(事務局:静岡県

吉越 勲(木の花ファミリー)

富士郡芝川町)

松山 幸広(あまてるの里)

木の花ファミリー(静岡県富士宮市)

芝田 琢也(元農業法人勤務)

マルシェ株式会社(本社:大阪府大阪市)

• 呼びかけ人

グリーンオーナー倶楽部(本部:東京都港

今里 滋(同志社大学大学院教授)

区)

大谷 すずえ(ガーディアン大阪)

新日本文芸協会(本部:東京都港区)

佐野 淳也(立教大学大学院准教授)

株式会社コスミックフォーラム(本社:東

古橋 道代(Global Ecovillage Network

京都新宿区)

5

みろくビレッジ 事業計画書

エコビレッジ設立に関するノウハウの習得体制 海外においては豊富な実践事例のあるエコビレッジですが、国内ではまだほとんどノウハ ウが積まれていない現状があります。特にコミュニティ内における共通の価値観の形成・維 持や意思決定、調停の仕組みといった「ソフトウェア」的な部分は、コミュニティの運営に 極めて重要でありながら、実践例の少ない分野です。 みろくビレッジでは、設立を担うメンバーが国内エコビレッジの相互扶助ネットワークで ある「いのちの村ネットワーク」提供の「滞在型エコビレッジ設立支援プログラム」を利用、 コミュニティ運営に関する幅広い実践ノウハウの習得を行います。 滞在型エコビレッジ設立支援プログラムについて 「いのちの村ネットワーク」が既存のエコビレッジである「木の花ファミリー」の協力の もとで提供する支援プログラムです。エコビレッジの設立要員が「木の花ファミリー」での 3 ヶ月間の生活研修を基本として、エコビレッジの実生活を体験しながら有機農業による営 農や加工品づくり、コミュニティ運営といった多様なノウハウを習得します。また、 「いのち の村ネットワーク」はその組織力を利用してエコビレッジ設立に関連する人材や資金、ノウ ハウの提供等の呼びかけに全面協力します。 木の花ファミリー 1994 年創立、五十数名が生活する静岡県富士宮市のエコビレッジです。完全有機無農薬 栽培により 110 品目におよぶ多様な品目を栽培、養鶏や養蜂、味噌・醤油・漬物、菓子、茶 等の加工品も含め、砂糖・塩・油を除くほぼ完全な自給自足を達成しています。耕作面積は 計 15ha におよび、そのほとんどが地域の遊休農地を活用しています。循環型社会に向けた ライフスタイルの先駆的な事例として、国内外の関係者から注目を集めています。 いのちの村ネットワーク 2009 年設立の任意団体で、既存および創立準備中のエコビレッジ、地域コミュニティの 情報交換や相互支援を目的に設立されました。現在約 200 名の会員を有し、交流会やエコビ レッジ体験ツアーの企画・運営、エコビレッジの設立支援プログラムの実施等を行っていま す。

6

みろくビレッジ 事業計画書

地域との連携および波及効果 常に地域社会と対話しながら、コミュニティならではの実効性ある地域貢献を目指します。

農業を通じて • コミュニティの農業部門を設立、地域の遊休農地を積極的に活用して環境保全型農業によ る生産を行います。地域に環境保全型農業の生産・流通拠点を設け、協賛団体の飲食チェ ーン等に農産物の販路を確保します。また、コミュニティの持つ情報発信力を活用した独 自ブランドを創出、安心・安全な農産物として販路を開拓します。 • コミュニティへの移住者による新規就農や、周辺農家の環境保全型農業への転換を農法指 導等や販路の提供、PR の支援等を通じて全面的にバックアップします。また、就農および 転換直後は民間の支援団体によるトラスト運動と連携して経営の安定を図ります。

地域ミニサービス事業を通じて • お年寄りなど、地域の方々の身近な「助っ人」として、いわゆる「便利屋」さんを開業し ます。かつての村落共同体が担ってきたサービスのうち、行政が担いきれない「隙間」の サービスを手頃な価格で提供します。コミュニティの組織力を活用した多様なサービスの 提供を行います。

生活を通じて • 移住者の受け入れ、定住の促進をコミュニティ全体で全面的にバックアップします。綾部 市との緊密な連携のもと、NPO 法人を通じて住居や圃場の確保をサポート、コミュニティ の相互扶助により定住を支えます。 • 地域の伝統文化の再興に取り組みます。地域的な取り組みや催事等への参加、コミュニテ ィ全体で地域自治に積極的に協力します。

非営利活動を通じて • NPO 法人を通じてコミュニティや地域の取り組みを PR します。国内外のエコビレッジ・ ネットワークを通じて「環境先進地・綾部」のイメージを広く世界に向けて発信します。 • 共生型コミュニティの生活体験を軸とした特色あるエコ・ツーリズムを展開します。農業 体験や自然エネルギー・自然建築のワークショップ、滞在型市民農園(クラインガルテン) などを通じて都市住民との交流を図ります。

7

みろくビレッジ 事業計画書

旧奥上林幼稚園の活用について 「みろくビレッジ」のコミュニティ・センターおよび農業の拠点を兼ねた施設として、旧 奥上林幼稚園を活用する方向で綾部市にご検討をお願いしています。長きにわたって地域の 子どもたちを育んできた伝統ある建物は、移住者を中心としながらも地域文化と融合したエ コビレッジづくりの象徴としてふさわしいと考えています。 具体的には、以下の活用方法を提案させていただきたいと考えています。

NPO 法人の活動拠点として 「みろくビレッジプロジェクト」事務局を設置します。また、さまざまなワークショップ や催事の開催に活用し、都市農村交流に役立てます。

居住施設として 主に単身者や短期滞在の無償ボランティアを対象としたコミュニティの集合型住居として 利用します(有償の宿泊施設への転用は予定していません)。

農業施設として コミュニティの農業拠点として、農業用倉庫、加工施設、畜産施設(養鶏・養蜂)、醸造小 屋(味噌・醤油・漬物等)等を設置します。

直売所・交流レストランとして 直売所を設置して、地域に農産物を供給します。また、コミュニティの食堂を一般にも開 放して地域とコミュニティの交流の場として活用します。

なお、取得および整備に要する費用については、プロジェクトの自己資金のほか、 「みろくビ レッジプロジェクト」を通じて広く全国へ資金提供を呼びかけます。

8

みろくビレッジ 事業計画書

推進日程 平成 21 年 10 月~1 月 • 市や地域住民の方々と協議、コミュニティの創立拠点を奥上林地区付近に確保 

仮住居(10 名分)



圃場(畑 5 反、水田 3 反)



農業機材・資材置き場

• 「みろくビレッジプロジェクト」の組織を正式に発足(事務局・静岡県富士宮市) 、協賛団 体・賛助会員の募集を開始 • 創立メンバーが 3 ヶ月にわたって静岡県富士宮市の「木の花ファミリー」に滞在、コミュ ニティ運営手法や有機栽培による営農などを実習し、コミュニティ創立を準備 • 生活用品、農機具等の手配

平成 22 年 1 月~3 月 • 創立メンバーが現地に移住(~8 名) 、生活・農業の体制を整備 • プロジェクト事務局を現地に移転、稼働開始

平成 22 年 4 月~23 年3月(初年度) • 「みろくビレッジ」正式発足 • 小規模営農の開始(畑作 5a、水田 3a、養蜂・養鶏など) • 旧幼稚園の整備計画、事業計画を立案 • プロジェクトのネットワークを通じた資金集めを開始

平成 23 年 4 月~24 年 4 月(2 年度) • 居住者の増加(~14 名) • 地域ミニサービス業(便利屋さん)を開始 • 営農の拡大(畑作 1.5ha、水田 1ha、養蜂・養鶏の拡大) • 農産物出荷の開始 • 旧幼稚園の整備開始 

居住施設の整備



農業・畜産施設の整備(養鶏・養蜂、加工施設)

• プロジェクトの NPO 法人化、支援ネットワークの拡大 • 非営利事業の開始 

公共空間(貸会議室等)の運営の開始



ワークショップ、催事等の開催・運営

9

みろくビレッジ 事業計画書

未来への展望 包括的なデザインによる循環型コミュニティづくり • 大学や研究機関、非営利組織との連携 • 地域資源の活用による自然建築 • 自然エネルギーの活用 • 地産池消・資源循環システムの構築 • 共有型経済の実践 

共有スペースを中核とした住宅デザイン



固定資産の共有による低廉なライフスタイル

• 相互扶助の精神による健康・福祉事業 

精神疾患、アレルギー患者のケア、自殺防止



共生型グループホーム

文化的価値の発信 • 「まず、こころの豊かさを」



• 精神文化の国際的な発信

伝統文化、 「和の精神」「もったいない」



精神文化的価値を重視したコミュニティづくり

特色ある循環型事業 • コミュニティ・レストラン • 廃油を利用した循環バス

みろくビレッジプロジェクト連絡先 ■ 現地事務局(担当:田中宏之) 573-0005 大阪府枚方市池之宮 1-30-12 電話・ファクシミリ:072-898-5533 携帯電話:090-8468-6025 メールアドレス:[email protected]

■ 静岡事務局(担当:吉越

勲)

418-0302 静岡県富士郡芝川町猫沢 238-1 おひさまハウスひまわり 電話・ファクシミリ:0544-66-0250 メールアドレス:[email protected]

10

Related Documents


More Documents from ""

May 2020 11
July 2020 4
April 2020 5
Bonilla V. Hurst
May 2020 6