演習 4
工業力学第一
1. 下図に示すようにリールに巻かれたロープの先が速度 v0 で動くスライダに繋がれてい る.リールから繰り出されるロープの角度 θ の時間変化,すなわち角速度 ω を θ , v0 , l を用いて示せ.ただし,リールの径は無視できるものとする. s O
v0
θ l
2. 下図に示すように半径 r の円筒が速度 v0 で平面上を滑ることなく転がる.θ = θ0 のと きの円筒の円周上の一点 A の速度を求めよ. y v0 A θ
x
O
r
2πr
√ √ 3. 下図に示すように直方体が頂点 AB を軸として角加速度 14[rad/s2 ],角速度 14[rad/s] で A から B にむかって右ネジが回転する向きに回っている.静止座標系の基本ベクト ル e1 , e2 , e3 を図中に示すようにとる.図の位置での点 P の速度ベクトルおよび加速 度ベクトルを e1 , e2 , e3 で示せ. P
3 A 1
2
e2
e3
B
e1
4. 点の 2 次元運動が,r(t) = t2 − t , θ(t) = t で与えられるとき,速度ベクトルおよび加速 度ベクトルを極座標で表せ.ただし,極座標の動径方向の基本ベクトルを er とし,周 方向の基本ベクトルを eθ とせよ.
工業力学第一 演習 4 解答 1. 図より tan θ = s/l となる.両辺を時間で微分すると sec2 θ
dθ ds = dt ldt
dθ/dt = ω , ds/dt = v0 であるので sec2 θω =
v0 l
∴
ω=
v0 cos2 θ l
2. 円筒の中心の位置を (x , r) とすると,点 A の位置 (Ax , Ay ) および速度は Ax = x + r cos θ , Ay = r(1 + sin θ) A˙ x = v0 − rθ˙ sin θ , A˙ y = rθ˙ cos θ となる.滑べらないという条件から −rθ˙ = v0 であるので
A˙ x = v0 (1 + sin θ) , A˙ y = −v0 cos θ ∴
A˙ x = v0 (1 + sin θ0 ) , A˙ y = −v0 cos θ0 , A˙ =
q A˙ 2x + A˙ 2y
3. 点 A を基準として考える. 点 P の位置ベクトル r と角速度ベクトル ω および角加速度ベクトル ω ˙ は r = 3e1 , ω = ω˙ =
√
14 ·
3e1 − 2e2 − e3 √ = 3e1 − 2e2 − e3 14
であるので,速度ベクトル v および加速度ベクトル a は
∴
v = ω × r = −3e2 + 6e3 , a = ω˙ × r + ω × v = −15e1 − 21e2 − 3e3
4. テキスト P110 ∼ 111 参照. 速度 v および加速度 a は 1 d 2˙ ˙ θ , a = (¨ (r θ)eθ v = re ˙ r + rθe r − rθ˙2 )er + r dt と表される.r = t2 − t , θ = t なので
∴
v = (2t − 1)er + (t2 − t)eθ , a = −(t2 + t − 2)er + 2(2t − 1)eθ