プレスリリース ディミトリーバディアロフ (Dmitry Badiarov) とアッラ・モデルナ (Alla Moderna) 〒192−0351 東京都八王子市東中野165−13 Tel & Fax: 042 677 7027
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頭の中に鳴り響く歌のようだ 2009年6月19日 東京 -- あるメロディーが頭の中を駆けめぐる、3日ばかりはそれ から逃れられない。このメロディーを好むか好まないかは別としても、この間の思考や行 動は、まるで言葉では言い表せないほどの美しさからなる一本の糸、この鳴り続けるメロ ディー、に連ねられたクリスタルビーズのようであった。 このようなセリフは何かポピュラーソングの歌詞からでも簡単に見つかりそうだ---"君は まるで僕の頭の中を駆けめぐる歌のようだ"---。だがこれは素晴らしい叙情的なメロ ディーをたくさん生み出した作曲家、ヨーゼフーヘクトール・フィオッコ(JosephHector Fiocco)とアルカンジェロ・コレッリ(Arcangelo Corelli)による作品について 語ったものだ。彼らの曲を息を呑むほどの想像力と豊かな表現力で三原朋絵(バロック・ ヴァイオリン)と佐藤亜紀子(テオルボ)は演奏した。 ディミトリー・バディアロフ(ヴィオロンチェロ・ピッコロ及びヴァイオリン奏者)に よって創設されたバロックアンサンブル「アッラ・モデルナ」は昨日1回目のリハーサル を終えた(写真参照)。このシリーズは今月末に始まり夏まで続く予定である。公演予定 は以下のとおり。
第1公演:6月28日(日)18:00 上野毛キュルチュール・インターナショナル・ クラブ(バロック・ジュテイム・バロックシリーズの会場)にて。チケット5500円。 ご予約: 03-5758-3875 、
[email protected]、http://www.culture-francaisetokyo.co.jp/ 第2、3公演:7月1日(水)15:00、19:00(2公演)東京オペラシティ近江 楽堂にて。チケット4000円(当日4500円)、学生2000円、シルバー・未就学 児1500円。 ご予約:マツキアートオフィス
03-5353-
6937、東京オペラシティ・チケットセンター 03-5353-9999 、
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第4公演:6月5日(日)14:00 千葉県市川市 木内邸ギャラリーにて。チケット 一般2500円、学生1500円。ご予約:アトリエ楽古 050-3649-8395 、
[email protected] (佐藤) 第5公演:8月2日(日)15:30 長野県松川村すずの音ホールにて。チケット一般 2 0 0 0 円 ( 当 日 2 5 0 0 円 ) 、 学 生 1 5 0 0 円 。 ご 予 約 : 050-1538-2479、
[email protected] (三原) これら公演についての詳細はこちらでも閲覧可能。http://dmitrybadiarov.com コレッリの曲についての同時代人による言葉である。「人間の持ちうるすべての愛し さ、美しさに満ちている。」 彼らはコレッリの作品が時間も国境も超えることを知って いた。また別の同時代人でパーセルの友人だったロジャー・ノース(Roger North)は次 のように書いた。「今後コレッリ以外のものも享受することはできないであろう。」驚く ことでもない、この偉大な作曲家はまるで人の声が語っているように話すように楽器を語 らせたのだから。彼の生徒は言った。「それ(楽器)が語っているのが聞こえませんか」 (non udite lo parlare?) このように、バロックヴァイオリニストの三原朋絵は彼女の手 のなかで、この音楽のイメージを一行ごとに語り、与えうるべき情感とともに生き生きと 再現する。それは佐藤亜紀子によるテオルボの繊細なハーモニーに支えられる。テオルボ はリズムの輪郭を際立たせ、特別な色合いをアンサンブルに添える。 通奏低音の楽器選択については、これまで充分に言いつくされてきた。楽曲のタイトルに は”Violone e Cembalo(ヴィオローネもしくはチェンバロで)”と記されている。それにも かかわらず今回は、グループ創設者自身によって復元されたヴィオロンチェロ・ピッコ ロ、またはヴィオロンチェロ・ダ・スパッラと呼ばれる特殊な楽器を用いる。この楽器編 成はコレッリの弟子のジョヴァンニ・ピストッキ(Giovannni Pistocchi)によって描かれ たスケッチに由来する。そこにはヴィオロンチェロ・ピッコロ(ダ・スパッラ)を持つ G.M.ボノンチーニ(G.M. Bononcini)、ヴァイオリンを持つコレッリ、そしてロマーノ (Romano)がテオルボを持った姿が描かれている。このスケッチ自体は、ボノンチーニ のヴァイオリン、ヴィオローネ、テオルボのための作品3の楽譜から発見されたものであ る。バロック時代の音楽家は、楽譜というものを楽器編成についての正確な指示や、そし て時には音符さえも、1つのヒント、目安として扱っていた 。それ故に、ヴィオロンチェ ロ・ピッコロ、テオルボ、ヴァイオリンの組み合わせは、300年以上ぶりに聴くことの できる、コレッリ流トリオの1つなのである。 人間の感情がそのまま吐露するようなフィオッコの作品に涙する、このために物好きなク ラシック愛好家である必要はない。フィオッコの哀歌(Lamentation)の原曲はソプラノと 独奏チェロ、そして通奏低音だが、「アッラ・モデルナ」ではヴァイオリンとチェロピッ
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コロ、テオルボで演奏する。ブリュッセル生まれヴァイオリニストにして作曲家でもあっ た フ ィ オ ッ コ は ヴ ェ ネ ツ ィ ア の 作 曲 家 ピ エ ト ロ ・ ア ン ト ニ ーノ ( P i e t r o A ntonio)の息子である。彼の妹のメリッサ・アメリア(Melissa Amelia Fiocco)は美しく聡 明な女性として知られていたが、彼女の23歳での死は父親に創作意欲を失わせたとい う。フィオッコ自身は43歳という若さでこの世を去っている。今回のような楽器編成は バロック時代の音楽家の間で一般的な習慣であり、「アッラ・モデルナ」もこの伝統を受 け継いでいる。 「 アッラ・モデルナ」の創設者ディミトリー・バディアロフはサンクトペテルブルク、ブ リュッセル音楽院出身のヴァイオリンのスペシャリストであり、1970年代のクイケン 兄弟による伝統の復興の渦中で教育を受けた。この伝統は「歴史的事実に基づいた演奏習 慣」として知られている。文化の根源に
り、資料を再考し新たに再構築するという芸術
史についての深い知識という点で、この演奏習慣の復活の運動は際立っている。これはま さに西欧美術が歩んで来た道である。1995年以来、バディアロフはラ・プティット・ バンドやリチェルカーレ・コンソート、バッハ・コレギウム・ジャパンなどの世界各国の 公演に参加し、2005年には、失われていた小型のチェロ を復元した。これは伝統的 なチェロ奏者のほかに、ヴァイオリン奏者やヴィオラ奏者が演奏することのできるもので ある。アンサンブル「アッラ・モデルナ」は、チェロのレパートリーのなかでも初期のも のに焦点をしぼり、それには室内楽、協奏曲、声楽曲などバロックチェロをともなうレ パートリーが含まれている。バディアロフ以外のメンバーは佐藤亜紀子(リュート、テオ ルボ)、三原朋絵(バロック・ヴァイオリン)で、彼らも既に当然と見なされている見解 に疑問を投げかけ、新しい視点を投げかけるという習慣を打ち破る運動の伝統を受け継い でいる。「アッラ・モデルナ」のメンバーは演奏活動以外に、教師としても活動してい る。毎月1回行われるバディアロフによるワークショップ「アカデミア・アッラ・モデル ナ」についての詳細はこちら。 http://dmitrybadiarov.com ###
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