Diary-Angel 天使の日記帖(模型) または 日記帖の中の天使
この本は、どこかに存在する『天使の日記帖』の「模型」です。 この日記帖の一頁一頁には、立体の天使像 ※1 を3次元スキャニ ングし、そのデータを紙の厚みを考慮してページ数分に分割したも の、いわば断面図が印刷されています。 つまり、それらを 一枚一枚すべて重ねあわせると(=本を閉じた 状態のことですが)、そこに天使の立体像が「再現」される ようになっているわけです。 しかし再現されるといっても閉じら れた本の中のことですから、あなたが天使の姿を直接見ることはで きません。もしもあなたがそのカタチを一枚一枚きれいにくり抜い てゆけば、この本の中に天使のかたちをした空洞が出来上がるはず ですが、それはお勧めしません。この天使の姿はあくまでもあなた の想像力にゆだねられることになります。 そして、この見えない天使こそ本物の『天使の日記帖』の鍵を持っ ている「日記帖の天使」なのです。 本を閉じれば確かにそこにあ るはずの天使の姿かたちーーその全体を実際に見ることはできませ んが、本を開けばその一部を見ることはできるし、その同じ平面に あなたの日常生活の出来事や考え事などを書き込むことができます 。そして、そのような1ページ1ページが積みかさなったところに天 使の全体像が在るというわけです。 「 この天使は日々移ろい変化してゆく自分と自分を取りまく世界 、それらを越えた次元に存在している。」 そんなふうに想像してみてください。
本を閉じれば、たしかにそこにある天使の姿。 ・・・・
また、この本の本体背表紙に箔押しされている書名は
legnA-yraiD
と鏡文字になっているのですが、 それは本物の『天使の日記帖』の鍵を持っているこの本の中の天使 にとっては「こちら側」の世界が『日記帖』になっているという意 味をこめたもので、天使がこの本から抜け出すための「おまじない 」のようなものでもあります。
この本は「閉じているのに開かれている」のです。
日記をつける、何かを書くということ が「不思議な出来事」になる。 これは、そんな仕組みの本です。 ※1「日記帖の天使」の実像はベルギーの彫刻家フェリックス・ルラン氏に制作 して戴いたオリジナルです。
外寸 64×160×125mm