EMC部品
TR ITTHART
に示す。 無変調クロックからのエネルギーと総量が 魔法のよう に消えるわけではない。 むしろ、 それはより広範囲の周波数に
2% 拡散の 66.6MHz のクロックを使用すると、 理論上の dB 低減は次のようになる :
分散される。 図 4 は変調クロックと無変調クロックの、 実際のス
dB @ 66.6MHz (基本)
ペクトラムアナライザーの表示である。
dB @ 199.8MHz (3 次) = 11.91
= 7.62
dB @ 333.0MHz (11 次) = 13.91 クロックの基本周波数を所定の速度で上下にスイープすると ピークエネルギーが低減する。 以下に示す簡単な式は 変調ク
電圧制御発振器を特定の変調エンベロープもしくはプロフィー
ロックと無変調クロックの関係を dB で示している。 この式は、
ルでスイープすると、 変調クロックが作られる。 クロックの変調プ
デューティサイクル 50% の理想的なクロックを仮定しており、 従っ
ロフィールは、 そのクロックの時間と周波数の関係を確定する。
て奇数次高調波の EMI 低減のみを予測している。 しかしながら、
クロックがその周波数帯をスイープされると、 ある周波数から次
それは、 EMI の低減がどれぐらい必要かを確定するガイドライ
の周波数に進められる。 クロックのプロフィールは、 クロックが
ンとしての役目を果たしている。 実際の dB 低減には理想的でな
ある1つの周波数にどれほどの時間留まるかを決定する。 変調
いクロックやグランドノイズのような他の事情も影響する。 その式
プロフィールの1つを図 6 に示す。 変調プロフィールの幾つかの特性は、時間領域(time-domain)
は以下の通りである :
アナライザーを使用したこの読取値によって表される。 図 6 のク
dB=6.5+9(Log10(F))+9(Log10(BW))
ロックの基準周波数は 5.00MHz である。 最初に、 変調エンベ
ここで、
ロープの周波数が 39.046kHz であることが判る。 変調プロフィー
F
ルの周波数はオーディオ帯域より上、 もしくは 15 ~ 20kHz 程度
= 周波数 (MHz)
BW = 総拡散率 (2.5%=0.025)
よりも上にあるべきである。 幾つかの低 EMI クロック源は変調
特定の周波数で上記の式を使用して、 以下の dB 低減カーブ
レートを固定しており、 その他は変調レートを入力周波数の関数 として決定する。 図 5 のプロフィールの場合、 変調レートは入力
がプロットできる。
周波数を一定の整数値で割って決定される。 図 6 のプロフィールをさらに検証すると、 その周波数範囲の
Fundamental Frequency = 66.60 MHz 5% 4% 3% 2%
dB Reduction
20.00
1%
15.00
両端に近づくとスイープレートが増加することが判る。 この増加 は、 VCO がより短時間に同一周波数を 2 度通過しなければな らないために発生する。 図 6 で最も重要な所見はこのクロック 発生器の Peak – Peak 拡散である。 図 5 はその Peak-Peak 拡
10.00
散が 144.2kHz であることを示す。 この結果からこのクロックの
5.00
拡散率は 144.2kHz/5.00MHz=2.88% であることが判る。 0.00
3rd
5th 7th Harmonics
9th
11th
(図 5. 式を使用して得られた dB 減少カーブ)
その基準周波数が 5.0MHz で、 このクロックの全ての出力周 波数が 5.0MHz 未満であり 5.0MHz 以上には決してならないで あろうから、 実際には、 このクロックは 2.88% で負に拡散してい る。 低 EMI クロック発振器は基本的に、 センタースプレッド ・ ク ロックとダウンスプレッド ・ クロックの 2 種類がある。 センタース プレッド ・ クロックは基準周波数の上と下に均等に拡散するもの
(図 6. 時間領域 (time-domain) アナライザーを用いて得られ た変調プロフィール) interferencetechnology.com
(図 7. 50MHz クロック周波数( 周期 1/50MHz=20ns) Interference Technology 日本語版
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